竹の資料館
Kyoto Bamboo Museum
竹の資料館は鉄筋コンクリート造数寄屋の平屋建で、約450平方m(約140坪)。竹林公園南門あるいは駐車場のある北門から入園すると、竹の資料館のエントランスに通じます。
竹の資料館内は展示室、会議室、休憩室、事務室などがあり、お茶室と茶庭が隣接しています。
展示品について
エントランスから展示室に入ると、右側壁面には京銘竹が陳列されています。
京銘竹とは、京都で生産される建築用や装飾品用などに用いられる伝統的工芸品で、白竹、ゴマ竹、図面角竹および亀甲竹 角竹など、珍しい京都特産の京銘竹が展示されています。

右側中央部のパーティションには18枚のパネルが展示され、竹の素顔、竹の特徴、竹の使われ方などが詳しく説明されています。また、歴史的な背景や竹の珍しい生理・生態、特に開花現象など、竹の特性や不思議さもわかりやすく伝えています。
竹類はある一定の周期で開花・結実しますが、その周期は何十年、何百年という期間であるため、竹の開花・結実や竹のタネを見るチャンスは稀です。その貴重な竹類の種子も展示されています。
竹のタネ
では、竹林の土中はどうなっているでしょうか?竹林は地震の時に安全な逃げ場になると言われていますが、その理由をご存じですか?竹の資料館には、実際に竹林の土から掘り出した地下茎の姿を展示してあります。(NHK寄贈)
他にも、珍しい海外の竹や楽器、京都の伝統的な竹製品の展示もあり、休憩スペースには大きな野点傘が立てられています。
歴史的資料の展示

長岡京時代の竹の排水溝
京都府向日市森本の長岡京(784-794)の遺跡から発掘された竹の排水溝です。このような状態で発掘された例はなく、歴史的に貴重な資料です。竹はマダケと思われます。

竹筋コンクリート
第二次大戦中に建設された京都市西京極運動場スタンドの竹筋コンクリートです。大正時代から第二次大戦直後まで、竹筋コンクリートは橋の建設や船の建造などにも使われたとのことです。つまり、竹はとても強く、鉄筋の役割を演じることが応用されたのです。
エジソン電球

アメリカの発明王トーマス・アルファ・エジソンが1882年に、世界で初めて京都八幡のマダケを使って、作製に成功した竹フィラメントによる電球です。その後世界中に竹フィラメント電球が灯りました。その貴重なひとつが当資料館に展示されています。

竹垣と景観
竹の資料館 お茶室の茶庭を囲む「光悦寺垣と建仁寺垣
竹文化の一つに伝統的な竹垣があり、現在では一般家庭の狭い空間を巧みに活用した様々の竹垣が設けています。竹の資料館に隣接するお茶室「竹風軒」の伝統的な和風庭園は建仁寺垣と光悦寺垣で囲まれていて,風びな環境を創造しています。
 竹垣の多くは、たとえば建仁寺、金閣寺、銀閣寺、また光悦寺の名称で製作されています。それは、そのデザインの発祥がそれぞれのお寺であることによるもので、俗に「京都は竹文化発祥の地」と言われる所以です。

竹の資料館のテラスから生態園を望む

生態園から眺める竹の資料館
竹の資料館のテラスから生態園を望むと、その角度によって色とりどりの景観を楽しむことができます。また、竹の資料館を生態園から眺めると、またひと味異なる景色になります。 最近では、毎年近隣の小学校から児童達が遠足を兼ね、竹の勉強に来てくれます。 竹の専門員が児童達を会議室に招き、「竹のお話」をして、竹の知識を広める活動をしています。(予約制)